2013年度同志社香里文化祭レポート
2013年11月2日(土)、三連休の初日、同志社香里中・高等学校で文化祭が開催されました。参加者の皆様、御疲れ様でした。
文化祭自体は例年通り賑はってをり、化学部も展示・実験と頑張ってゐましたが、展示が手書きから印刷になったりと、時代の流れを感じました。又、今年は現役時代に御世話になった顧問の先生に御会ひできなかったのがとても残念でした。来年はリベンジしたく思ひます。
化学部
展示
冒頭でも述べた通り、展示の模造紙が手書きから印刷になってゐたのが最大の驚きでした。図は手描きでしたが、これが印刷になるのも時間の問題かも知れません。尚、展示の文字では、敬体・常体やフォントが統一されてゐないのと、一部の紙でちょっと字が小さかった(行間が広過ぎた)のが気になりました。来年も印刷なら、ぜひとも改善を期待します。
展示内容が「けみすとりぃ」と共通なのは例年通りですが、ペニシリンの化学式と絡めて、原子模型が数十個作って有ったのに遊び心を感じました。
実験
実験は、屋外では定番の液体窒素、室内でも水素爆発や燃えるシャボン玉などの目を惹きつけるものが有る一方で、電気メッキなどの来訪者も参加可能&お土産附きなものも有り、いつも通り存在感が有ったと思ひます。実験の手際や、お客さんへの喋り方もそれなりに確りしてゐたと思ひます。
ただ、化学部自体の人数の問題か、私が訪れた時間が遅かったのか、少し実験数が少ない様に感じました。又、机の上が可なり散らかってゐたのもいつも通りと言へばいつも通りだったのですが、お客さんに気持ち良く帰ってもらふためにも、時間を決めて随時掃除をすべきでせう。
後、今年は何と「昼休み」が有りました。1:30〜2:10の間実験を休ませて頂きます
と掲示され、数十分間、化学部員が不在になってゐて、諦めて帰っていくお客さんも少なからずで、それは有りなのか? と思ひましたが、某OBの情報に拠れば、顧問の先生が中庭で出演される出し物に合せて設定したさうです。
けみすとりぃ
化学部発行小冊子「けみすとりぃ」、今年は28頁ありました。感想は箇条書きで次に纏めます。
- 夏合宿報告: 隨所に感想が挟んでは有りますが、工場や製品の説明文の転記と思はれる文章が大半なのがちょっと残念です。合宿先決定の経緯や面白エピソードなどを挟んだ日記形式の方が、個人的には好きです。
- 展示内容一部・補足: 今年はこれが良かった! 化学物質の単なる説明だけではなく、添へられてゐる「化学部的注釈」がナイスです。個人的には次亜塩素酸ナトリウム
NaClO
の斜め上の変化
といふ表現にウケました。最後に出典が示されてゐるのも良いのですが、タイトルだけでなく、著者・出版社・出版年月日やアドレス・閲覧日などの情報もきちんと示せば、より価値が上がるでせう。
- 部員紹介: 高二・高一が全く居ないのが驚きでした。私が現役の時にも、部員数が学年で飛び飛びになってゐましたし、不思議とこの傾向は変らない様です。
- 実験レシピ: これも「展示内容」と同様、実験手順だけでなく「見どころ」が添へてあったのがナイスでした。
- 体裁面では、見出しのスタイルが統一されてゐて見易く、好感を持てました。「あとがき」に「今年は編輯が早めに終った」旨が書かれてをり、見た目に気を配る時間も充分取れたのかも知れません。
餘談ですが、今回の「けみすとりぃ」には部長から化学部OBに向けたメッセージが掲載されてゐて、OBである私は甚く感動しました。7行に亙る文章の中には、明誠館経験者の部員もだんだんと減っていき、遂に今年度で0になります。
といふ、現役時代には明誠館しか無かった私からすると、豪く時代の流れを感じさせるものも有りますが、最後にはこれから進化を遂げてくれると確信しておりますので是非ご期待をば。
と力強い言葉で〆てくれてゐます。来年度以降の化学部が益益楽しみです。
他の文化部
- 生物部は入り口で出迎へてくれた部員が礼儀正しくて、最初から好印象。展示も例年通り確りしてをり、小さな水族館&動物園といった感じ。個人的には「猪の解体」(グロ注意の警告付き)が「こんなことも生物部でやるのか、部員にとっては勉強になるだらうなあ」と新鮮でした。発行冊子「青蜂」もいつも通り見易く、内容も充実。素晴しいの一言です。
- 天文部は恒例のプラネタリウムに、初めてお客さんとして参加。「東急ハンズで材料を仕入れた手作り」といふこれが力作で、きちんと真っ暗な空間になってゐて、照明を消すと別世界。案内役の子が時時詰まりながらも、一通り星空を紹介してくれて、良い体験になりました。冊子は無い様でしたが、「フォーマルハウト」といふ単語は展示や口頭説明に出てきてゐました。
- 美術部では、やはり人が違へば描く対象も使ふ技法も違って、それぞれに楽しめました。1冊しか無い「絵本」を作り、作品として展示する試みは面白く且つ素敵でした。
- 書道部は今回、歌詞を書いた作品が目立ってゐました。教室の床に参加者が自由に筆で書ける大きな紙が敷かれてゐたのにまんまと釣られて、私もちょこっと某キャラクタを書いて来ました。
- 写真部は今年は海外で撮った写真が目立ちましたが、白黒写真も含め、やはりどの写真にも見入りました。昨年の作品がアルバムに入れられて閲覧できる様になってゐるのも良いアイディアでした。
- 旅鉄部はもう本当に、冊子「Paseo」の配布が終了してゐたのが残念です。私が行った時間が遅かったのも悪いのですが、去年も売り切れてゐたので多めに刷っておいて欲しかった…。展示は写真が時時歯抜けなのが気になりましたが、鉄道模型も含め、良く纏まってゐました。京阪各駅の時刻表が置いてあったのには少し笑ってしまひました。
- 文芸同好会の発行冊子「一期一会」は、取敢ず縦書き・横書きや、字の大きさ・行間・段落字下げなどの体裁を統一する所から頑張って欲しいです。それだけでグッと読み易くなると思ひます。
その他
- 今年は遂に工事中の場所が無くなり、中庭も広く開放されてゐました。又、専門系の教室が入ってゐる紫塩館(化学部などの文化部の拠点)を除き、中学側は1階〜2階、高校側は1階だけが開放されてをり、立入禁止の場所が増えてゐましたが、お客さんにとっては見廻り易くなりました。
- 私の現役時代に化学部が有った場所(化学講義室・部室)は今やすっかり別の教室に造り変へられてをり、「けみすとりぃ」の部長の言葉をしみじみと感じました。技術教室などは建物自体が跡形も無くなってゐて、寂しいを通り越して逆にすっきりして気持ち良い感じです。環境が変っても場所に対する文化は残ってゐるのか、そこには球技に興じてゐる子供が居ました。
- 図書委員会が開催してゐた「古本市・リサイクル市」では全ての本が50円といふ賤さでしたが、一番の驚きは、図書館の本が売りに出されてゐたことです。私が借りたことの有る本も含まれてゐて、懐かしさと同時に、ここにも時代の流れを感じました。因みに売上は全部、東日本大震災で被災した図書館に寄付されるさうです。
- 香真館で最後に見た演劇部の演目「忘れもの」は、タグを附けるなら「大正浪漫」「剣舞」「幽霊」「百合」でせうか。衣装や動きは可なり気合が入ってゐました。マイク無しでしたが、少し声が聞えにくい役者とさうでない役者に分れてゐて、経験値の差違を感じました。
- 通学路に警備員の方が多かった(正門から香里園駅までで4名くらゐ)のに、何か笑ってしまひました。ちょっと過保護ぢゃないかと思ひましたが、文化祭用の特別体制だったのかも知れません。
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